毎年のように日本列島に迫る台風。その勢力を示す「ヘクトパスカル」という用語、天気予報でよく耳にしますね。でも、ヘクトパスカルが具体的に何を意味するのか、詳しく理解していますか？ここでは、台風の中心気圧に関連するヘクトパスカルについて、その意味や重要性を探ります。
何を意味するのか？ヘクトパスカル
ヘクトパスカル（hPa）は気圧を測る単位で、国際単位系において使用されています。ヘクトは「100倍」を意味し、パスカルは圧力の単位です。したがって、1ヘクトパスカルは100パスカルに相当します。
ヘクトパスカルの導入背景
もともと気圧はミリバールで表されていましたが、1992年にSI単位としてヘクトパスカルが正式に採用されました。ただし、1ミリバールは1ヘクトパスカルと数値上等価ですので、ミリバールからヘクトパスカルへの変更による混乱はありませんでした。
ヘクトパスカルの計算方法
1平方メートルあたり100ニュートンの力がかかる場合、その圧力は1ヘクトパスカルとされます。この計算により、科学的なデータとして気圧が示され、天気予報などで利用されるのです。
台風の中心気圧とヘクトパスカル
台風の報道では、「中心気圧が何ヘクトパスカル」と言われることがあります。これは台風の中心部の気圧が、周囲の気圧よりどれだけ低いかを示しており、数字が小さいほど強い台風を意味します。
気圧が示す台風の勢力
中心気圧が低いほど、その台風は強力であると考えられます。例えば、気象庁の記録によると、過去に日本に上陸した台風の中で最も中心気圧が低かったのは、925ヘクトパスカルを記録した1961年の台風でした。
具体的な台風の例
例えば、過去に室戸岬に上陸した「第二室戸台風」や、「伊勢湾台風」などは、中心気圧が非常に低く、広範囲にわたる大被害を引き起こしました。これらの台風は、中心気圧が低いことがその強さを物語っています。
| 順位 | 上陸時気圧 (hPa) | 上陸日時 | 上陸場所 |
|---|---|---|---|
| 1 | 925 | 1961年9月16日09時過ぎ | 高知県室戸岬の西 |
| 2 | 929 | 1959年9月26日18時頃 | 和歌山県潮岬の西 |
| 3 | 930 | 1993年9月3日16時前 | 鹿児島県薩摩半 |
台風の勢力を示す指標
勢力の指標としての中心気圧
台風の勢力を示す際には中心気圧の他に、風の強さや台風の大きさも重要です。気象庁では、風の強さに応じて台風を分類しています。たとえば、最大風速が33m/s以上のものを「強い」と分類し、さらに強い風を持つ台風は「非常に強い」または「猛烈な」と表現されます。
■強さの階級分け
| 階級 | 最大風速 |
|---|---|
| 強い | 33m/s（64ノット）以上～44m/s（85ノット）未満 |
| 非常に強い | 44m/s（85ノット）以上～54m/s（105ノット）未満 |
| 猛烈な | 54m/s（105ノット）以上 |
■大きさの階級分け
| 階級 | 風速15m/s以上の半径 |
|---|---|
| 大型（大きい） | 500km以上～800km未満 |
| 超大型（非常に大きい） | 800km以上 |
中心気圧の測り方
では、台風の中心気圧はどのようにして測定されるのでしょうか？直接的な測定が困難な場合、船舶や近くの島での気圧計測値を参考にしたり、気象衛星からの観測データを基に推定されることが多いです。特に、衛星データは雲の動きや形状から気圧を推定する重要な手段となっています。
まとめ
台風はその発生する条件や進路によって多様な影響を及ぼしますが、中心気圧はその強さを理解するための重要な指標の一つです。日常生活で台風情報に触れる際は、中心気圧だけでなく、風速や進行方向など、総合的な情報を確認することが大切です。ヘクトパスカルが低いほど、台風の持つエネルギーは大きく、予想される被害も甚大になる可能性が高まります。台風シーズンには、これらの数値に注目し、適切な備えを行うことが重要です。
