還暦のお祝いをする際、プレゼントに添える熨斗(のし)の名前の書き方について、迷ったことはありませんか?夫婦で連名にする場合や、家族一同で贈る場合、または名前を記載しない方が良いのかなど、状況によって適切な方法が異なります。この記事では、還暦祝いにふさわしい熨斗の名前の書き方について、具体的に解説します。
還暦祝いの熨斗に夫婦連名で名前を書く場合
夫婦で連名にする場合、一般的な書き方はまず夫の名前を水引の下に中央に書き、その左側に妻の名前を記載します。この際、妻の名前はフルネームではなく、下の名前のみを記載するのが通例です。この書き方は昔から多くの場面で使われており、シンプルでありながら伝統的な方法です。
近年では、夫婦の名字を水引の下に中央に書き、その下に夫婦それぞれの下の名前を左右に均等に記載する方法も見られます。この方法も一般的に受け入れられており、特に違和感なく使用されています。また、夫婦別姓の場合は、夫のフルネームを右側に書き、妻のフルネームを左側に書くのが標準です。夫婦別姓が増えている現代では、この書き方も広く認知されています。
家族一同から贈る場合の熨斗の名前の書き方
家族全員から還暦祝いを贈る場合、熨斗に「子供一同」や「孫一同」といった表記を使用することが多いです。これは、個々の名前を記載するのではなく、家族全体を代表する表現であり、親しい家族間での贈り物にふさわしい書き方です。この方法は特に大人数で贈り物をする際に便利で、誰が贈ったのかを一目で分かりやすくする効果があります。
もし、家族一同でなくても、例えば兄弟や親戚一同で贈る場合も「兄弟一同」や「親戚一同」と記載することが可能です。熨斗の名前の書き方は、状況に応じて柔軟に対応できるため、無理に全員の名前を記載する必要はありません。
会社や団体名を入れる場合の熨斗の名前の書き方
還暦祝いが職場から贈られる場合や、団体からの贈り物である場合、会社名や肩書を熨斗に記載することがあります。この場合、名前は水引の下の中央に記載し、会社名や肩書はその名前の右上にやや小さめに書くのが一般的です。会社名を書く際には、「株式会社」を略して「(株)」と書くのではなく、正式名称を使用することが重要です。
また、会社から複数名で贈る場合、3名までなら連名で記載することができますが、それ以上の人数になる場合は、代表者の名前を書き、その左側に「外一同」と記載します。これにより、全員の名前を個別に書く手間を省きつつ、誰から贈られたものかが分かるようになります。
名前を入れない熨斗は失礼?
熨斗に名前を記載しない「無地のし」を使う場合もありますが、還暦祝いのような特別な場では、基本的に贈り主の名前を記載することが望ましいです。熨斗の表書きには「還暦御祝」や「祝還暦」などの表記を使いますが、それに加えて誰からの贈り物であるかを明示するために、贈り主の名前を書くことが一般的です。
名前を書かずに贈り物をする場合、特にフォーマルな場面では相手に対して失礼と取られる可能性もあります。還暦は長寿のお祝いであり、敬意を込めた贈り物ですので、贈り主が明確に分かるようにすることがマナーとして推奨されます。無地のしは、身内間の非常にカジュアルなやり取りや、内祝いとして用いられることが多いですが、還暦祝いにはあまり適していません。
まとめ
還暦祝いにおける熨斗の名前の書き方は、贈る相手や状況によって異なりますが、基本的には贈り主の名前を明確に記載することが大切です。夫婦連名や家族一同からの場合、形式に沿った書き方を守りながらも、心のこもったお祝いを贈ることが重要です。また、会社名や肩書を入れる場合も適切な方法を選び、相手に失礼のないように心掛けましょう。
還暦という人生の大きな節目を迎える方に対して、感謝と敬意を込めて、素敵な熨斗と共に贈り物を渡しましょう。相手にとっても、贈る側にとっても、心温まるひと時となることは間違いありません。